カンプデザイン(クライアントさんに出すデザイン案)を制作する時、対象のWEBサイトと同じ業種や、デザインテイストの似たサイトを参考にしてデザインしていませんか?
・・・正解です。
ただ、それだけだと後々困ることもあるなーと思うのでそのことについて。
もちはもち屋、やっぱりプロに倣うのが近道
優れたWEBサイトを見つけ、良い所を参考にするのは一番の近道です。
その道の「プロ」が時間を掛けて習得したものを参考にするのは、どの分野においても有効だと思います。
職人さんの世界では「目で盗む」なんてよく言いますよね(もっといろいろ意味深そうですが)。
私も、入社時に「サイトコピー課題10個」という荒行を命じられました。
美術で言ういわゆる「模写」なんですが、これを成し遂げると、
・プロのデザインの表現が使えるようになる(バリエーションが増える)
・自分頭で考えただけのデザインからの脱却(自分は井の中の蛙だったのか・・・)
・ソフトの操作効率が上がる(上げないとこなせない)
などの、実作業に反映されるメリットがあり、格段に進歩します。
一歩踏み込んだことろに本当のメリット
デザインを参考(またはコピー学習)にするときに、さらにもう一歩踏み込むと、色々な事が見えてきます。
- なぜこの色合なのか
- なぜこのフォントなのか
- なぜこの余白になるのか
- なぜこの画像が入っているのか
- なぜグラデーションをかけているのか
- ・なぜドロップシャドウの効果がついているのか
などなど・・・
そうデザインするに至った、思考のプロセスがわかってきます。おおまかですけど。
そうすると、自分がデザインするときにちゃんと「説明」できるようになります。
自分のデザインに対する説明ができるかできないかで、周りからの信頼の度合いも変わってきます。
だたの模倣ではできないこと
優れたサイトを参考にすることで実作業の腕が上がりますが、それだけで満足してしまうと、
「あのデザイナーさん、早く仕上げてくれて悪くないけど、もう一つパッとしないんだよね~。」
なんて評価されてしまう可能性もあります。
それは恐らく「考えてデザインする」というところが疎かになっているのかもしれません。
もちろん、まったく考えないでデザインすることはできません。
クライアントさんの要望に沿うように、参考サイトを探してきて、それに近いデザインをする・・・
それだけでも色々考えることはあるのですが、そこで先ほどの「一歩踏み込む」ということが活きてきます。
与えられた要望や資料だけじゃなく、一歩踏み込んでクライアントさんの背景やターゲットユーザーのことまで真剣に考えて初めて、「いいね。わかってるね。」といった評価がもらえます。
それはただの模倣ではできません。
まとめ
他のWEBサイトを参考にするときに注意することは、ただの模倣にならないように、とにかく一歩踏み込んで考えるということです。
クライアントさんが本当に望むもの。ターゲットとなるユーザーについて。サイトの導線・構成・・・
そういった考えの積み重ねが、「ひらめき」や「発想」と言われるものにつながってくるのではないでしょうか。