外来患者を増やすためにSEOやホームページに力を入れているのに、いまいち患者数が伸びないと感じる病院経営者の方は非常に多いですよね。
数字が伸びない理由は、どの病院もホームページに力を入れることが当たり前の時代となってきたからと言えるでしょう。
ところで、総合病院を探す時、患者さんの約半分以上は公式ホームページを見て判断するというアンケート結果があります。
この結果でわかることは、公式ホームページを見て信頼を得ることができれば、患者さんの病院訪問数を劇的にあげることができるということです。
今のホームページで、患者さんをとりこぼしていませんか?
今回は、様々な業種で売り上げアップの手法やホームページ作成を担当している筆者が、患者さんが選びたくなるホームページに必要な要素は何かを、具体的かつシンプルにお伝えしていきます。
選ばれるホームページ作りに重要なのは、たった1つ。
ターゲット(患者さん)が何を希望しているかを把握し、それを載せるということです。
つまり、これさえできれば、他の病院には負けない選ばれる病院となるはずですよね。
では、早速いってみましょう。
どんなに遠方でも、患者さんに選ばれる病院を知る
よく「3時間かけて来られる患者さんもいます」や「待ち時間2時間の病院」といった口コミを掲載している病院がありますよね。
これは、患者さんが自分の希望や都合をおしてでも通院したいと感じているからおこることです。
まず、患者さんが病院を選ぶ際に最も重要視していることは「自分にとって都合が良いかどうか」です。
患者都合というのは、「自宅から通いやすい」「受付時間が自分の通える時間か」「待ち時間が少ない」などで、病院に通う立場としては、至極当然のポイントです。
そのため、多くの病院はここを変えることはできませんが、患者さんの方が、要望を多少変えてでも通院したいと思ってくれるなら、同エリアの競合病院以上に患者さんが来院してくれることになりますよね。
では、どうすれば患者都合を変えてでも通院したいと思ってもらえるのでしょうか。
ここで注目したいのが、メディケア生命のアンケート(全国の20歳~59歳の男女1,000名)です。ここでは、【病院に行って不快な思いをした経験】がある人が63.5%にものぼることがわかります。
またそのほとんどが、医師をはじめスタッフの対応という結果となっています。
どのようなことで不快な思いをしたか[複数回答形式]
メディケア生命
つまり、病院を利用したことがあるほとんどの人は、医師やスタッフの対応で不快な思いをした経験があるということになります。
もし新しい病院を探すことになった場合、以前感じた不快な経験は、なるべく避けたいと思うのが普通ですよね。
ずばり、患者さんに選ばれるホームページづくりに必要なこと、それは「医師やスタッフが、自分の悩みを解決してくれそうな病院」と感じるかどうか、この一点になることがわかります。
ここで2つほど疑問に思われた方もいるかもしれません。
まず、患者さんそれぞれに悩みは違うのに、それをホームページを見た全員が、悩みを解決してくれそうと思う内容なんてそもそもあるのか。ですよね。
また、不快な経験とはスタッフの態度であって、悩み解決とはなんの関係もないのではないか・・・とも感じますよね。
では、この2つの疑問について1つずつ解決していきたいと思います。
患者さんが絶対に通院したいと感じるコンテンツを作る
それでは早速、患者さんに「ここなら悩みを解決してくれそう」と思ってもらうために、ホームページ制作時に載せるべきことについてご紹介していきましょう。
まず、患者さんの多くは現在の自分の病状に悩んでいます。
そして、それが治るかどうかを不安に感じています。
しかし患者さん自身は、専門的な知識を持ち合わせていないことが多いです。
病名や症状は人ぞれぞれですが、病状に悩み、治るかどうかの不安を感じている点は、どの人にも当てはまるはずですよね。
そんな患者さんがまず初めにホームページで見るところは「診療科」ページではないでしょうか。自分の悩み(どういう病気の可能性があるのか)もしくは、自分の病状(すでに病名が確定している)に対し、どういった診療をしてもらえるかが一目でわかるのがこのページです。
なので、ホームページ制作で最重要となるのは、TOPから診療科へ辿り着きやすい設計となっているかと、診療科の内容が「私のことだ。ここなら安心かも」と感じる内容であるかどうかになります。
総合病院の場合、診療科も複数ある病院がほとんどですが、科ごとに特徴や診療方針などを細かく記述するのが良いでしょう。
ここで、参考サイトを元に、どういう情報を載せると効果的かをご紹介していきますね。
神戸市立医療センター中央市民病院
循環器内科のページをご紹介します。
こちらの科では、内科、外科の垣根や職種の垣根を越えて診療をしてくれる点や、各分野のエキスパートからなるチーム体制の紹介、多数の実績など、患者さんの不安を払拭してくれる内容を充実させています。
三井記念病院
脳神経内科のページをご紹介します。
こちらの科では、神経生理学を専門とした医師の在籍や、高いレベルでの神経生理検査を実施について記載されています。
また主な対象疾患の記載があるため、病名があきらかでなく不安を感じている患者さんが「自分のことだ」と、ここの受診がピッタリかもしれないという確信をうむきっかけとなりやすいでしょう。
名古屋市立大学病院
呼吸器・アレルギー内科のページをご紹介します。
こちらの科では、診療・治療に対する心がけを病名ごとに詳しく書いています。
また、病名ごとにその治療方針の詳細も記載しており、方針と治療内容の概要を見ることができます。
どの診療科のページも責任者の考えと、治療方針について詳しく書いてありますよね。
これらを作成するにあたり大切なのは、患者さんが見てわかるか、読みやすいか、です。
専門的すぎてもわからなかったり、文字数が多く読むことに疲れたりすると、せっかく良いことが書いてあっても読まれないページとなってしまいます。
また、コンテンツには掲載順序が重要です。ただコンテンツを載せれば良いわけではなく、読む順番に合わせて最適な順序で載せることが読んでもらえるコツとなります。
読む順番とは、患者さんが興味をもつ順序のことを言います。
ところで、医師やスタッフの態度により不快な経験をした患者さんについての対策ですが、基本的にホームページ制作で「笑顔で対応」などの記載を入れてもあまり効果はありません。
患者さんがスタッフに求める良い態度というものは、「親身に相談にのってくれる」ことや「話を聞いてくれる」ことがベースになるため、診療科目のページで、「患者さんときちんと話し合いながら」などの表記があり、治療方針も誠実であれば、その内容次第で「きちんと話を聞いてくれそうな病院だ」と好感をもってくれるでしょう。
ターゲットの欲しい情報を汲み取りホームページに掲載する手法はホームページ制作では必須手法
ここまでは、総合病院のホームページ制作で患者さんに選ばれるために必要なポイントについてご紹介してきました。
病院のホームページを見ているとき、見ている人はさまざまな感情や不安をもちながら、色々な病院のホームページを探しています。
端的にいえば、自分の不安を払拭してくれるホームページを探しているのです。
化粧品や飲食店のホームページと違い、病院の比較検討件数は平均で2〜4件と言われています。
つまり、良さそうな病院と出合うことができれば患者さんは納得し、来院につながるのです。患者さんが「選ぶきっかけ」を、ホームページにたくさん載せることで、自然と選ばれるホームページにすることができます。
これは業種問わずどの分野でも言えることで。
ホームページ制作の依頼を受けて思うのは、文章を流してしまうだけでホームページを作ったり、デザイン性のみを意識して作ってしまい、ホームページを見ている人がどう感じているかを置き去りにしているケースが多いということです。
ホームページを見ている人(ターゲット)が何を思い、どんな情報を欲しがっているかを考えると、見せ方は全く違ってきます。
では最後に、ターゲットが欲しいと思っている情報がなんであるかを調べる方法についてもご紹介しておきますね。
(ホームページ制作前に患者さんがどんな情報を欲しがっているかを知る方法)
1.SNSで病院のクチコミを見ていく
→自社のSNSをチェックするのではなく、病院関連の記事や病院について不満を述べている人の投稿などから、どういうことを不満と捉えているかを知る
2.ネガティブなクチコミを活かす
→待ち時間が長いといった書き込みがあれば、短縮できるシステムを入れるか、ホームページ内に「一人一人丁寧に診療を行うことをモットーとしている」と記載したり、支払いを自動化にする取り組みなどを入れているなどの表記をして、診療に時間をかけていることを理解してもらうなど、ネガティブをポジティブ変換し、患者さんの必要情報として記載することを心がける。
3.アンケートを活用する
→病院内の意見箱やアンケート結果から、どういうことが不満につながるかを洗い出し、それをホームページのコンテンツに利用する。もしくは、他メディアが扱うアンケート結果から、患者さんの関心や希望を調査し、その対応策を掲載しておく。
ホームページは、病院側が発信したいことを載せるのではなく、患者さんが欲しいと思っている情報を載せることが大切です。
そこを意識すれば、ホームページを見ている人は好感をいただき、選んでくれるホームページなると思いますよ。
まとめ
今回は、総合病院のホームページ制作で劇的に患者数を増やす方法についてお伝えしました。
まずは、選ばれるホームページの制作を行うことが大切です。
半分以上の方が、ホームページを見て病院を選ぶ時代に、情報を載せるだけのホームページではなく、患者さんの不安を解決してくれるホームページであることが非常に大きなポイントとなってくると思うと、今のホームページを見直すことで、今まで以上に受診する方が増えるかもしれないですよね。