協賛させていただいた、CSS Nite in KOBE Vol.2に行って来ました。
前回からもう半年以上たったんですね・・・その間ブログの更新が2回。これはゆゆしき事態です。
お客さんに「ブログ更新してくださいね~」とはどの口が言うのでしょうか。
受付けの誘導のお手伝いもさせてもらったんですが、こころなしか皆さんワクワクしているような印象でした。
主催の株式会社ふわっとの岡田さんが、「初開催はご祝儀的にみなさん来てくれたから・・・」とおっしゃっていましたが、なかなかどうして前回を上回る盛況ぶりでした。
これもふわっとさんの人脈の広さと広報活動の賜物と感服しました。
せっかくなので、印象に残った内容と感想をレポートします。 解釈違いがあるかもしれませんがご容赦ください。
Session1 クロスチャネル時代のWebデザイン
株式会社コンセントの長谷川さんのセッション。
WEBで求められる物がより広くなっていくんだと痛感させられる内容でした。
「デザイン=問題解決」と改めて定義されていたのも印象的でした。
みんなIA
I(インフォメーション)A(アーキテクチャ)という言葉はなんとなく知っていましたが、普段の実務とは直結していなくて、プロダクトデザインなどの「物」を作る際に用いられるものだと思っていました。ではなく、規模の大小に関わらず、WEBにもその概念が当てはまるとのこと。
誤解を恐れずに言うと「情報をわかりやすく伝える」ための設計ということになるのですが、確かにwebを作る際もそれが全てですね・・・。言葉として意識していませんでしたが、web制作者が常に考えなければならない部分です。
それがwebデザイナーだけでなく、ディレクター、プログラマにしても意識して作って行かないといけませんよっていうお話。
よくディレクターに「頭使ってデザインしてください」とよく叱咤されます。はいすみません。
カスタマージャーニーマップ
初めて聞く言葉でした。勉強不足・・・。一つのサービスや購入にいたるプロセスを、実際のユーザーの体験を書き出し、可視化して戦略を立てなさいというお話。 こんな図です
最近よく聞くようになったUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインの話にもつながります。
ごもっともな内容で、ぜひ取り入れたい内容ですが、予算や工数が限られているなかで、実務にどう落とし込むかは手探りでいくしかないですね。
ただ、ユーザーの体験というのは、どのサービス、コンテンツにもついてくるので、今後提案材料として、クライアントさんが気づいていないユーザーの体験を気づかせる事が出来れば、良い信頼関係が築けるのではと思いました。
例えば、
「美容院に行きたいけど、旦那に子供をあずけて二人きりにするのはいろいろ不安・・・。美容院の近くに子供連れで時間潰せる所ないかな・・・」
というお母さんがいて、その人がそれを調べる(という体験をする)と仮定して、
「美容院のホームページに、近所で子連れでゆっくりできるスペースを掲載しましょう。近くのダイエーのゲームセンターにはアンパンマンの乗り物がありますね。」
みたいな提案ができるんでしょうか。例えがいまいちすぎますが。
クロスチャネル
これもユーザーの体験に関する内容でした。
クロスチャネルは、PC→スマホといったようにどの端末でアクセスしてもストレス無く同じ情報にアクセスできるというもの。
スマホ普及率50%に届きそうな今から、考えておかなければいけない内容でした。
クロスチャネルの例として、
あるECサイトで商品を見ている途中で外出する時間になった。
外で引き続きスマホでみたいけど、スマホサイトからだとまた検索しなおさないといけない・・・
というユーザーのために、PCサイトで見ている内容をスマホサイトにも引き継げるような仕組みがあったら親切という例がありました。
それはログインさせてデータベースに閲覧情報記録したりといった大きなものではなく、単にスマホにURLを送るというボタンが有るだけでもいいということ。
ネットに長けている人はURLコピペしてスマホにメール送るってことが容易でも、そうじゃない人も多数いるわけで・・・というお話。
Session2 Webデザインで考えておきたい色の話
「ウェブ配色 決める! チカラ – 問題を解決する色彩とコミュニケーション」の著者、坂本邦夫さんのセッション。
のっけから関西ノリのつかみで終始楽しかったです。
色に関しては、web上で知り得た情報も多かったのですが、それでも制作者目線の内容で、納得できる部分が多くありました。
特にクライアントさんとしっかり意識共有して、後々の色やデザイン変更が無いようにというのは、今後もしっかりやらないといけないといけません。
抽象的な言葉を使わせない
「おしゃれで、かっこ良くて、高級感だして」という指示をもらった場合、「はい、承知しました」と制作にかかるのは絶対にNG。もっと具体的な意識共有できるように詰める必要があります。
「おしゃれとはどんな人・物のイメージですか?IKKOさん?mac製品?」
「かっこ良いと思うものは?レクサス?長州力?」
「どういった高級感?スーパーの国産牛?レストランの神戸牛?」
色に関しても、話の段階ではわかりやすい例を出すと良いとのことです。
「コーラの赤」「ファミマの緑」など・・・
コントラストを意識する
白黒(グレースケール)にしてみて、読みにくい部分がないかちゃんと確認しなさいとのこと。
ごもっともです。もっと意識します。
Session3 Webデザイナーのためのタイポグラフィと文字組版
CSS nite 発起人の鷹野さんのセッション。
webのデザイナーがまだまだ甘いと言われるタイポグラフィのお話。
弊社でも意識・徹底できるように努めていますが、さらにシビアにいかなければいけません。
文章をひらく
×「念の為お知らせ致しますとスペースバーを押している時」
↓
○「念のためお知らせいたしますとスペースバーを押しているとき」
前回のVol.1の時も話されていた内容ですが、上記の例文のように漢字で表現しないほうが可読性があがるというお話です。
クライアントさんからいただいた原稿でも、一度しっかり目を通してより見やすい文章になるようにして表示する必要があります。クライアントさん側のルールやポリシーもあると思うので、その辺りも意識共有しなければなりません。
参考リンク 表記規則:企業サイトで使用する「ひらく漢字」「ひらかない漢字」
※キャッチコピーなどはこの限りではないそうです。
Session4 Webデザインは、いったい、何を解決できるのか?!
web業界大手のアンティー・ファクトリーの中川さんのセッション。
かなり特徴のあるキャラクターに圧倒されましたが(「みぃつけた」のオフロスキーさん…)、名だたる大手企業の実績を裏付けする圧巻のセッションでした。
ただ、Session1と同じ印象ですが、「それを中小企業向けのサイトでどう活かすか」というのがもっと具体的にイメージできればよかったなと思います。自分で考えなさいってことでしょうが。
サイトパーソナリティ
セッションの主眼ではありませんでしたが、これは真新しい内容でした。
サイト(企業)を人に見立てて、ブランディングの意識共有をしていくといった話。
例えば・・・
○イオンに行く ×大丸に行く
○ビール ×ワイン
○妻子あり ×独身貴族
○トヨタ ×ベンツ
といったように、サイトに人格を与えてみます。
そうすることによって、「好み」でデザインの内容に待ったが入った時に、クライアントさんに説明がしやすいといった利点があります。
担当さん:
「背景やっぱり黒にしてみてください。」
HM:
「黒も全体が引き締まって良いかもしれません。ただ、トヨタ好きで家族思いの○○さんは、明るくてアットホームな印象が良いとおもうので、黒はイメージと違うのではないでしょうか。」
担当さん:
「それもそうですね。今の話は忘れてください。」
また、webデザインに関してはプロなのだから、「つべこべ言わず全部任せなさい」というぐらいの『気概』でいても良いという話も印象的でした。
そう自信を持って言えるように常々精進しなければいけませんね。
まとめ
前回が「レスポンシブデザイン」、今回は「UXデザインやフラットデザイン」など、セミナー全体を通して登壇者が近いテーマの話題に触れているのが印象的でした。
web上の情報収集ももちろん大事ですが、こういった肌で業界の雰囲気が感じられる場に行くっていうのも大切ですね。
次回はSEOとマーケティング主体の内容になるらしいので、弊社のナイスミドルなディレクターとSEOテクニシャンも一緒に参加できたらと思います。