閑散期の集客は非常に難しいですよね。
なぜなら、普段そのサービスを特に必要と思っていないユーザーに、今すぐ欲しいと思わせる必要が出て来るため、とてもハードルが上がってしまうからです。
今回は、閑散期の落ち込みを防ぎたい!とお考えの全業種の方にむけて、どんな手を打つことで閑散期でも集客が可能になるかをお伝えしていきます。
ホームページやSNSをベースに集客を行う担当者である筆者がご紹介していくので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
では早速いってみましょう。
閑散期に集めるのではなく、閑散期を下準備のチャンスととらえる
まず考え方としては、閑散期に必死に売上を上げようとするのではなく、その時期は下準備として使い、問い合わせが上り調子になるタイミングで大きく数字が出せるようにするための施策を打つのが良いでしょう。
もちろん、閑散期に集客をする方法もありますが(後からご紹介します)、それには今欲しいと思っていない顧客の心を動かす「何か」が必要になってきます。
そのため、まずは閑散期を下準備に変える方法についてふれていきますね。
例えば、ランチを楽しんでお腹がいっぱいのときに、魅力的なお店が「今ならランチを半額ですよ!」と宣伝していても、いく気にはならないですよね。
今、欲しいか?欲しくないか。これが何よりも重要なので、それを動かすための仕掛けがない限りは、広告を出しても、安値で売っても、思ったような効果は出ないでしょう。
では、下準備のチャンスであると考えた場合、どのように手を打っていけば良いのでしょうか。
ここでチェックしておきたいのが、「なぜ、今、閑散期なのか?顧客はなぜ買わないのか」を把握することです。
先ほどのランチの例でいえば、15時をまわってランチを半額セールしたところで、たいていの人はランチを食べ終わった後のため、あまり意味がありませんよね。
つまり、みんなランチを食べ終わっているから顧客は半額でもランチを買わないのです。
理由さえわかっていれば、下準備として用意しておくことは、日にちを指定した半額券を前もって渡しておくといったことです。
「毎週、月曜日の15時は半額ですよ」と認知されていれば、月曜日のランチを食べずにお店に来てくれるかもしれません。
前もって顧客に伝えることで、購入してもらえる可能性を高めることが下準備というのです。
ただしり下準備をするには、「なぜ買わないか」を明確にしておく必要があるのです。
では、その調べ方について簡単にご紹介しますね。
(1)アンケートをとる
→ターゲットに近い層に、リアルな意見やアンケートをとり、なぜ今買わないかを明確にしておくと良いでしょう。
旅行関係や飲食店などはわかりやすいのではないでしょうか。しかし、なんとなくわかっただけではなく、もっと明確な理由まで落とし込むことが重要です。
ホテルなどは利用者が減る理由に、休日が少ない、感染症が流行っている、季節的に魅力がないなど、人の力ではどうしようもない、多くのデータがありますよね。
しかし飲食店などは、もっと詳細まで理由を落とし込むことができます。
たとえば年末年始の場合は、家でゆっくりしたいので外出する人が少ないや、家に親戚が来るため、外食ではなく家でご飯を食べることが多いなど、家族単位の細かい理由が見えてくるはずです。
もし、これらの理由があてはまる場合は、デリバリーサービスを検討したり、小さい子供が遊べるスペースを確保して、子育て家族の息抜きの場として使ってもらうなど、新たな期間限定サービスで利用してもらえる手がうかんできます。
(2)ブログなどで調査する
→なぜ問い合わせや売上などの動きが悪いかを調べる場合、SNSやブログなどをみてみると答えが載っている場合があります。
例えば、習い事を始めるタイミングが4月に偏る理由などは、SNSで年齢を入れて検索すると、それぞれの意見や理由が上がってきます。これらを元に、その原因を知ると解決策が出てくることも大いにありますよね。
(3)調査資料などをみる
→筆者がよく使っているのが、IT mediaマーケティングです。
これだけではなく、さまざまな業種でさまざまなアンケートや分析結果が共有されていますので、ネットで検索しておさえておくのも良いでしょう。
理由がある程度想定できれば、それに対する対策を前もって打つことができます。
その対策自体が、閑散期に劇的に数字を上げるための対策ではなくてもOKです。
閑散期を使って、次にくる繁忙期に売上を1.5倍増しにできるくらいの対策を考える!くらいの考えで良いのではないでしょうか。
先ほどの飲食店のデリバリーで言えば、本来は忙しいのでデリバリーなどはしないものの、年末年始は暇になり時間を持て余すことと、顧客層が家に引きこもり、家での食事をする傾向があるので、年末年始限定のデリバリーサービスをかなり前から宣伝した。
という下準備をすることができます。
この、年末年始のデリバリーサービスで劇的に売上を上げるという意味の対策ではなく、デリバリーサービスを利用してもらった人に対して、さらに次の繁忙期に売上を上げるためのフックを用意することが下準備となるのです。
いわゆる、下準備をとおして新たなサービスの発掘や、顧客との次へのコミュニケーションのきっかけとするのです。
また、デリバリーをすることで、今までとは違った顧客層との出会いもあるかもしれません。
そういったチャンスをどんどん広げていくことができるのが、閑散期ならではです。
ぜひ、トライアンドエラーで勝ちパターンを作り上げていく時期にしていってください。
成功する閑散期の集客方法は、いつもと違うサービス提供が鍵
閑散期の集客に値下げをするサービスを非常に多いですよね。
顧客も、値下げがあるとわかっているので利用する人が多く、利益率の良いサービスであれば有効な手段といえるでしょう。
しかし、利益率がそこまで無いのに値下げをすれば赤字ギリギリになってしまうというところが多いのも事実です。
では、そういったところはどのようなサービス展開をしていけば良いのでしょうか。
次は、下準備ではなく閑散期に集客をすることを目的とした対策についてご紹介していきましょう。
先ほどの下準備とは違い、閑散期に人を集めるため、ある程度の広告費や効果的なサービス提供が必要となってきます。
例を出しながらご紹介していきますね。
閑散期の成功率を上げるイベント開催
よくあるのが、コラボやイベント企画などではないでしょうか。
飲食店でもホテルでも、「食べる」「泊まる」以外の目的で来店してもらうことを促進できれば、集客の幅はグッとひろがります。
「今は食べたくない」「今は泊まりたくない」と思っていても、イベントがあるから寄ってみようとなるので、普段の客層以外の層が呼べるため、自然と来る人のパイが増えることとなります。
そのため、イベント企画はよく使われる手法です。
しかし、個人レベルの経営でイベントを大々的に打ち出すのは難しいですよね。
なので、アマチュアバンドを呼んでみたり、企画展、美術展など、あまり費用がかからないコラボを考えることもひとつです。
これらを行う上で重要になるのが、前もって多くの人に知ってもらっておくことです。
イベント成功の鍵は、普段の顧客以外の層にも幅広く認知してもらうことですので、その宣伝範囲は店頭配布などでは足りません。
よくある間違いが、今の客層だけに「イベントやりますよ!」という告知を出すことです。
これでは、今の客層以外を広げるチャンスを逸してしまいます。
そこで利用したいのがホームページやSNSです。
とくにSNSは見せ方次第で多くの人の目に留まるため、ぜひともイベント前にフォロワーを増やしておきたいですよね。
閑散期に成功率を上げる、いつものサービスの別の使い方
こちらはあまり紹介されていませんが、いつものサービスや技術を、別の利用方法として提供するのもひとつです。
例えば飲食店であればお店のスペースを食事をする場所ではなく、別のスペースとして使ってもらうなどです。
美容室などでは、カットやカラーをしてもらいにくるのではなく、メイクやヘアアレンジなどの教室や、実際にそれらをする日といった、スタッフでできるレベルの別の催しをするのも良いでしょう。
場所や技術を使って、普段はあまりサービスとして提供していない分野のサービスを提供することで、新しい顧客やサービスを発掘することができるかもしれません。
これらも同時に事前の告知が最重要ですので、SNSなどで生配信を行うなど、魅力的にみせる方法を数パターン用意しておくことをおすすめします。
閑散期には、今ある技術やスペースを使って、いつもと違うサービスを提供してみる。そして、それを事前に上手にSNSなどを使って告知しておくことが、ターゲット以外の層の獲得も狙うことができるのでおすすめです。
イベントなどで閑散期に集客する方法で忘れてはいけないのは、いつもの顧客以外の層を集めることをミッションとすることです。
いつもの顧客の集客に困っているから実行するのに、いつもの層に来てもらうためにイベントをする!に置き換わっている事例が多々あります。
あくまで、目新しいことをして、新しい客層を増やすことを目的としましょう。
それこそが、閑散期により客層を伸ばす方法(いつもの顧客以外の層にも来る可能性を与えるから)になるのです。
イベント会社に依頼するほどではなく、お店単体で取り組めるレベルで実施し、その告知方法だけをプロに任せるなど、かける費用も最低限ですませられれば、トライしてみる価値はありますよね。
まとめ
閑散期に集客するための方法についてご紹介していきました。
筆者としては下準備として使う最初の記事がおすすめです。
どうしても目の前の数字に心を奪われがちですが、大手が成功している理由は、事前告知、売上の種まきを忘れないという基本ラインを踏襲しているからこそです。
ブランディングも徹底し、ターゲットをセグメントし、ターゲットの要望をしっかり把握した上で、きちんと告知していく。
また、閑散期も焦らず種をしっかりまき、繁忙期にきっちり刈り取る。
これらは一見、金銭的に余裕がないとできないように見えるのですが、そうでもありません。
きちんとした計画と分析をもって積み重ねていくことで、自社にしかない成功パターンができあがってくるのです。
毎年この時期は厳しいなーを繰り返すのではなく、ぜひ一度、下準備をし、その成果を検証する方法を実践してみてはいかがでしょうか。
SNSやホームページがあれば、費用もおさえて実現することができすよね!