スタートアップを成功させるために必要とされているのが、ブレないコンセプト作成と、その見せ方です。
コンセプトだけで数億円の資金調達をはたした企業もあるほどなので、その効果には驚きますよね。
今回は、スタートアップ企業を成功に導くための「コンセプト定義」と、それを「ホームページ制作時に載せる効果」についてお伝えしていきたいと思います。
成功の鍵は「見える化」です。
コンセプトはどれくらい重要なのかその理由について考えてみましょう
御社のコンセプトは、どの程度明確ですか?
とくにスタートアップ企業はホームページもなく、資料や代表の口で直接伝えられることが多いのではないでしょうか。
口頭で伝えるメリットは、想いがより伝わりやすいことですよね。しかしデメリットは、会った人にしか届けることができないため、より多くの人には届かないという点です。
コンセプトとはあなたの企業が「何を、なぜ、どのように提供するのか」という基本的なアイデアを、誰でも一目でわかる形や文章にしたものです。
そして、最も重要なのは、そのサービスが顧客の問題をどう解決するか、また市場でその企業がどの位置付けなのかがイメージできるか否かなのです。
コンセプトは、企業の「なぜ」を定義し、方向性と焦点を明確にします。また、マーケティング戦略を導き、製品開発を形成し、企業文化を作り出します。いわば企業の内部、外部の両方の根幹を支える部分となるのです。
ビジネスコンセプトを明確に定義することは、スタートアップ企業が成功するための基本的で外せない重要なステップとなるのです。
そして、ビジネスコンセプトを作成するために最も重要なのは、「どのような価値を提供することができるのか」です。
人が注目する点は、「企業が社会にどのような価値をもたらしてくれるか」です。人は自分が課題と感じていることを解決する力がありそうな企業に対して、好感や応援の気持ちを持つ物です。
ですから、そこをつきつめ、提供する側のエゴになっていないか、きちんと社会貢献できるのかをあらいだしてみましょう。
AIのスタートアップ企業が成功したコンセプトをご紹介
Preferred Networks
日本のAI開発企業の中でも注目を浴びている企業ですが、どのようなことをしているのでしょうか。
機械学習と深層学習により、交通システム・製造業・ライフサイエンス・ロボティクスなど、多くの分野でイノベーションを起こすことを目指している企業です。
ホームページのキーワードの中に「最先端の技術を最短路で実用化する」とありますが、この言葉だけでもイメージをつかむことはできますよね。
また「技術の力で想像を超えた世界に挑戦」というキーワードも非常に未来的で会社の可能性を感じさせます。
なんだか応援したくなりませんか?
Hutzper
少数精鋭のスタッフで構成されている企業です。ホームページをみても熱意を感じます。
製造業の目視検査業務で、人手不足や精度の低さなどの課題を解決することを目的としたAI開発を行なっており、課題に対してAIの技術を提供するというスタンスです。
ホームページのキーワードの中に「私たちの持つすべての力を使って、モノづくりに関わるすべての現場を強くする。フツパーは日本のモノづくりを元気にできる。」とありますが、強いメッセージを感じます。
「第4次産業革命を集大成へ」から始まるこのホームページでは、文章やキーワードから非常に強いコンセプト設計を受け取ることができます。
また、代表の想いが語られているのもとても良いですよね。
日本のモノづくり企業を支えてくれるサービスを生み出してくれそう!というだけで、親近感をもちませんか?
ビジネスコンセプトを定義してみましょう。社会の流れからズレないことが大切です
では、早速ですがビジネスコンセプトを定義してみましょう。
意外と勘違いされやすいのが、全く新しいものをゼロから作ろうとするのではなく、「今、社会で問題となっている、課題を解決しなければならない問題と向き合っている」という点を重視することです。
イノベーションと言っても、いきなりなんの前触れもなく、新しい分野に資金をつっこんでくれるような投資家はいません。
ですから、社会的な課題に対してズバリと解決し、イノベーションを起こせるようなサービスであること。また、その課題をどう解決し、どう理想を持っているかを軸にコンセプトを定義していくのが非常に有効だと思われます。
<コンセプト定義のために必要な項目>
- あなたの企業は、どのような問題を解決できるかを具体的に書いてください
- ターゲットは誰ですか?
- そのサービスは、競合とはどのような違いがあり有利ですか?
- ユーザーはそれを利用することでどのようなメリットを得られますか?
- 最終的なビジョンはなんですか?
スタートアップ企業は資金調達も重要になります。サービスの質や将来性だけではなく、その企業を立ち上げた代表の熱意、またそのサービスを思いついた経緯なども伝われば、魅力は強まり、投資してくれる企業も集まりやすくなります。
「想い」を伝えるために、コンセプトを作り上げるということを頭に入れて、サービスの質と、その熱意を言葉にして組み込んでいきましょう。
ビジネスコンセプトの効果的な伝達方法はエレベーターピッチが有効
ところで、エレベーターピッチという言葉をご存知ですか?
これは短時間でプレゼンを相手に伝えるスピード感ある伝達力のことで、エレベーターに乗り合わせたときに相手を虜にするようなプレゼンができるか否かが例としてあげられます。
海外ドラマなどでよくみられる光景ですよね。
エレベーターピッチの手法でいくと、あなたの企業が何をするもので、どのようにそれが顧客の問題を解決するのかを30秒から2分で説明でき、なおかつ話を聞いている人が興味をもつところまでもっていかなければなりません。
つまり、短時間で相手の興味をひきつける話し方やキーワード、キャッチコピーを作り上げることを考えていくと良いでしょう。
そして最後に必要なのが、話を聞き終え興味をもった相手が必ず質問するであろう「なぜ、そのサービスを立ち上げようと思ったの?」という、ビジネスストーリーです。
これも、「ただなんとなく」と答えると一気に熱が冷めてしまいますよね。
さまざまな経験をもとに、現在の状況になったと思います。ですから、相手に好感や興味を持ってもらえる内容に仕上げておくことが大切です。
最後に。ホームページでそれら全てを効果的に載せましょう
コンセプト設計が終わったら、それらをまとめてホームページや資料に載せると良いでしょう。
良くも悪くも、コンセプトは状況に応じて変わることがあります。これは、ビジネスが完成形でなければ常にそういう状況になるものです。
ですが、現在の想いや未来への目標を強く相手に伝えていくためには、形に残るものが必要です。
それにはホームページは非常に有効です。
時間がなく、サービス名や企業名だけを相手に伝えたとしても、その後ホームページにたどりついた時に、そこに熱いメッセージが載っていたらどうでしょうか?
「そういえば、そのような事を言っていたな」「あの時はわからなかったけれど、そういうことか」と理解してくれるチャンスがまた訪れるわけです。
ホームページを使えば、相手の自由な時間に想いを伝えるチャンスが持てるわけです。
ホームページにどのように載せればユーザーの心に響くのか、言葉だけでなくビジュアルを効果的に使えるのは、プロのデザイナーです。
良いコンセプトが浮かんだら、ぜひとも制作会社にホームページのデザインについて相談をしてみてくださいね。