Web3.0という言葉がとびかい、新しいWebの時代が来たと感じている方も多いかもしれません。
しかし、従来と何が違うのかピンとこない方が大半なのではないでしょうか。また、Web3.0はNFTやブロックチェーンなど、今のホームページとはずいぶんかけ離れているように感じ、世の中で使われるには随分先のように感じている方もいると思います。
ところで、現在SNSの利用は、もはや当たり前の時代となっていますよね。
ホームページ制作を依頼されるほとんどの方がSNSをビジネスに利用し、ホームページとの連動が当たり前となっています。
ところが、SNSをビジネスに利用し、多くのユーザーが当たり前のように発信する時代は、ここ10年ほどで急激に膨れ上がったマーケットです。
このことから、Webの世界ではいったん火がつくと、急激に膨れ上がり、もはややらなければ時代遅れの状況となってしまうことが明らかです。
Web3.0が必ずしもそうなるというわけではなく(かなり専門的な知識を有することから一般ユーザーには多少抵抗がある)、大手企業をはじめ、ある程度土俵が固まり始めてから拡散される可能性の方が高いと感じています。
しかし同時に、土俵が固まればすごいスピードでひろまり、導入することが当たり前となる時代がくることも確かです。
では、ホームページやSNSをビジネスの中心としている制作者や企業は、今何を取り組んでいくべきなのでしょうか。
今回は、Web3.0時代に向けて知っておくべきホームページの変化の可能性や、デザイナーが備えておきたい知識についてふれていきたいと思います。
これを読めば、未来にむかって私たちのすべきことが少し見えてくるかもしれませんよ。
Web3.0の概念をホームページに利用する場合、必要になる知識とは
Web2.0で、SNSなど個人が発信できることが当たり前となった時代で、ホームページ制作者や依頼者に必要なスキルは、SNSの技術を知り開発することではありませんでした。
つまりWeb3.0でも、ホームページ制作や依頼時に、ブロックチェーンや分散型台帳技術を知っておかなければならないことはありません。
どちらかというと、その技術を使いサービスとして提供されているものを、ホームページと連動するようになると考える方が自然でしょう。
例えば、オンライン通販のサイトは決済時に決済システムにとぶように、仮想通貨で支払う場合にそれらのサービスに紐づくなど、もともとある技術をホームページに組み込むことは大いにあるかと思われます。
直近では、PayPayなどの電子マネーでの支払いが、どこででもできるようになってきたことが例として挙げられるかもしれません。
まんがアプリなどの数百円単位で加算されていく支払い方法には、PayPayでの支払いが標準装備されていますよね。ポイントを組み合わせた支払いができたり、数百円などのためにカード情報を提供したくないユーザーが、より支払いを簡単にできるようになっているため、利用者も非常に多いです。
このように、利用しやすいようであれば、人は全く新しいツールであっても自然と使いこなしていくものです。
Web3.0で決済方法でのメリットといえば、個人情報を自分で守ることができるところにあります。
このメリットが浸透すれば、十分に支払い方法に組み込まれる可能性はあると思われます。
話を戻すと、Web3.0の概念をホームページに利用する場合必要となる知識を3つご紹介します。
- 分散型技術とは何か、ユーザーが得られるメリットは何であるかを知る
- スマートコントラクトを活用したシステムの構築
- 暗号通貨の基本的な知識
それでは1つずつご紹介していきましょう。
今問題となっている「中央集権型」に対抗し「分散型技術」で個人情報を守る
なぜWeb3.0に注目が集まっているか、そもそもの大きな理由は、GoogleやFacebook、YouTubeなどで一企業が個人情報を取得し自社の利益に繋げている、「中央集権型」にあります。
ユーザーはサービスを利用するために自分の情報を提供し、それらの情報からさまざまな事件や問題が起こっていることを知りながら、どのように自身の情報が使われているかを知らない状態となっています。
そもそも、インターネットの利用は情報を取得したいと思うすべての人が、公平に問題なく情報にアクセスできることが基本的な考えでした。
Web3.0は、Web2.0時代に作られた、一社が情報を独占する現状を問題視し、個人個人が自分の情報を守り、自分で利益を得ていくための時代になると考えられています。
もし、その考え方が主流となり、ユーザーが個人情報を守ることを重要と考えた場合、その仕組みを取り入れたサービス利用が活発化すると予測されるのです。
一箇所に格納されたデータにユーザー自身の情報があるのではなく、分散された台帳に情報を格納しユーザー自身が認証した時だけ取り出せるようにすることでセキュリティが向上することになるのです。
つまり、ある提訴分散型技術のメリットについて理解しておくことが、今後ホームページ制作で重要となってくるのです。
スマートコントラクトを活用したシステムの構築
次に重要な仕組みのひとつは、「スマートコントラクト」です。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン技術を利用して契約を実行するプログラムのことで、プログラムの実行条件を設定できるので、さまざまな複雑な処理を自動で行うことができます。
つまり、人間や会社が間にはいることなく、契約を実行できるということです。
実例でご紹介すると、不動産登記や、保険、証券、ゲーム内でのユーザー同士の取引などが挙げられます。
あらかじめ設定された条件を満たした場合に自動的に処理が行われるため、人的エラーを防ぐこともできます。
そのため、人的コストがかからず、契約時のコストダウンや情報漏れなどのセキュリティ強化にも役立ちます。
契約実行までのプロセスも、その過程がブロックチェーン上に公開されるため、契約にかかわる当事者だけでとどめられていた情報を知ることができ、極めて透明性が高くなります。
同時に、スマートコントラクトの脆弱性が、不正なトランザクションや契約の不履行などの問題を発生させる可能性は大いにあり不安定な部分も多くあります。
もし、スマートコントラクトを開発するなら、実装前に厳密な検証を行い、潜在的な脆弱性を事前に特定することが重要です。
Web3.0で知っておきたい暗号通貨の知識
続いては、暗号通貨の知識です。
Web3.0では暗号通貨を利用した支払いが増える可能性があります。
そのためには、暗号通貨というものをデザイナーが知っておく必要がでてきます。
手軽に学べるとしたら、Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)など、主要な暗号通貨についての基本的な理解でしょう。
Bitcoinは主にデジタル通貨として利用されることが多く、価値の保存や決済手段としての利用が一般的です。
一方、Ethereumはスマートコントラクトのプラットフォームとしての側面が強く、分散型アプリケーションやトークンの発行など、プログラム可能な契約を中心とした様々な用途が存在します。
送金や決済、投資などにも利用されています。
これらを実際に利用しないとしても、どんな暗号通貨が、どんなサービスに使われやすいのかなどを知っておくと、全体のイメージが掴みやすいと思われます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実際にホームページに導入されるイメージが、まだ掴みにくいこともあると思いますが、徐々にこれらの情報を仕入れていくことで、何か大きな動きがあった時に即座に対応できる頭のスイッチを備えておけることになりますよね。
まだまだ新しいキーワードや技術が出てくると思いますが、それらを上手に取り入れて、最新のホームページとデザインが提供できるように前進していきたいですね。